【7日間連続最終日】ストナンノック~僕の夏休み。~

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「俺の夏休み、終わっちゃった...」
キングダムハーツ ロクサス
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ホテルの部屋のカーテンから朝日が柔らかい光と共に降り注ぎ、僕は目を覚ました。

 


夢を見ていた。
どこか真っ暗の中で、何かを探している僕。
無音で孤独で、かたくて高い壁を登ろうとしている僕。

 


これは夢なのか---。




思えば、このノックをやろうとした理由はない。
正直に言うけどない。

勝手に理由付けはしたものの、論理付けでやろうとしたものではない。

明太子に向かう飛行機の中で、自然とやってみたいと思ったのだ。

自然とわいてでた感情だ。


自分のこれまでの主戦場はネトナンだった。
マッチングし、同じ店で、同じような会話をして、同じように体を合わせていく。
嫌とかではないがしばらくの間ネトナンをやめていたが、

この明太子出張の際に再度始めて、1週間のうち5日間はアポを取っていた。

相手に申し訳なく思ったがそれも全てキャンセルした。
ネトナンに逃げたくはなかったからだ。


◇◇◇

いよいよ今日で終わりだ。

興奮が醒めない。

心の中では「もっとやっていたい」そう叫ぶのが聞こえる。
疲れはない。心は疲れるどころか、日を重ねる毎に生き生きしている気がする。


仕事を終え、シャワーを浴びひげを剃る。
鏡で肌の調子を見ると、ぼろぼろだ。しみを隠すように、クリームをぬり、コシローラーで仕上げる。

目標を達成するためには今日は2即。やり切ろう。


最後はこの台詞を言ってみたかった。

 

 


「さぁ、ゲームの始まりだ」


◇◇◇

21:30

1人目 JD
僕「こんばんは~!お姉さん顔めっちゃ疲れてますよ!遊びすぎてぎっくり腰みたいな?」
でオープン。バイト終わりで、これからバスで遠い地元まで帰るという。
粘るべき案件でないと思い、放流。

 

2人目 某スポーツメーカー店員

「このお洋服、自分にめっちゃうでしょ?ねー、絶対思ってないでしょ!」
というのりでオープン。服の魅力を力説される。

単純に興味があり、「絶対いま暇でしょ、軽く15分くらいいこうよ~」というも終電があるあるある。

グダ。放流。

 

3人目 20代半ば

謎の宇宙のキーホルダーをつけており、それをいじりながらオープン。
これから地元に帰るという。駅が近かったので止めようとするも止まらない。

打診すると早足になり改札に向かわれた。

 

4人目 アラツー

ナイキの靴をはいている専門学生。
靴をひたすらいじる。笑いも取れるし、反応がいい。相手からの質問も飛ぶ。
「この靴で絶対誰かを踏んでそうだよね!」などと続ける。
和みは十分と思い、打診するも拒否。
「終電があるから、疲れているから、親が怒るから、お腹いっぱいだから、友達と約束があるから、寒いから」
うんざりするほど、このネガティブな言葉を投げかけられた。

最初は崩していたが、面倒になってきて放流。

自分勝手であるが、あれもこれもと言い訳ばかりする人は最も嫌いだ。

 

5人目 JD

オープンするも帰るグダが強く放流。

6人目 20代半ば

オープンするも彼氏がもうそこに迎えに来ているらしい。嘘かもしれないと並行トークするも本当で放流。

 

7人目 20代半ば

ガンシカ

 

8人目 20代前半

オープンするも、終バスグダで放流。

 

9 人目 20代前半

オープンするも早足になり放流。

 

10人目 20代前半

他県から出張できている美容師。服をいじりオープン。これから友達に会いに行くという。
打診して一度OKしお店に向かおうとするが、「やっぱり帰る」といい放流。

 

11人目 20代半ば
イヤホンをしていたので「お経聞いてるの?」で話しかける。

“I do no to speak Japanese”と綺麗な発音で話す。

“Really?sorry but i look Japanese girl.(本当に?日本人に見えるよ)” と彼女に言うと

なぜか早足になった。その後も英語で話すが早足になった。
きっと彼女は日本人だが、話しかけられたのが嫌で咄嗟に英語が出たのだろう。

 

12人目

ガンシカ

 

13人目

赤い帽子をいじるが、目線も合わせてくれない。放流。

 

14人目 アラツー

ガンシカ

15人 20代前半

花柄スカートの女性。「この花いくつあるか数えていい?」と聞くも早足に。

 

16人目 20代半ば

オープンするも打診した瞬間、自分の左側から右側へデビルバットゴースト。

17人目 20代半ば

オープンするも「大丈夫です」目線をスマホにうつされ放流。

18人目 20代半ば
オープンするも、よく覚えていないですが、グダ。放流。




◇◇◇

時刻は、23時半を過ぎていた。
ふとN通りを歩いていると笑顔で手を振ってくれる人たちがいた。
明太子クラスタのbeeさんとサルさん、アストロさんだ。
少しの間だが話を聞いてもらい、アドバイスをもらう。
クラスタさんは、優しいしこんな自分にでもアドバイスを頂ける。

この時間ならKG公園がいいということ、そこで和んで、ファミレスかカラオケに「寒いから」
という理由をつけて誘導する。
beeさんからこう最後にアドバイスを頂いた。「明日は美容師さん休みだから、狙うのいいかもですよ!」
握手をし、また足を動かす。


◇◇◇


19人目 フリーター
KG公園で、1人で座っている。服装も即系だ。
隣に「こんばんは!」で話しかけ座る。それにしてもアーティストと思わせるくらい奇抜な服を着ている。
眼を見て和んでいく。話を聞くと古着屋で働くフリーターで、ここには意味もなく座っているという。
20分くらいじっくり時間をかけ和む。それでも食いつきは感じられない。
どうする?もう少し粘るが、全く食いつきがない。
打診するももちろんだめで放流。

 

 

20人目 美容師
KG公園の中で1人で歩く女性を見つけた。

僕「こんばんは!お姉さんめっちゃ美容師さんっぽい!」

美容師「えっ!なんでわかったの?」でオープン。

僕「え?(そんなの適当だけど)そういうオーラあったの!めっちゃシャンプーの香りしたもん」

美容師「そうです、シャンプーやカラーリングしてました、すごいですね、、!」

目をしっかり見てくれるいい子だ。笑いながらボディタッチするも拒否感はない。
打診すると
美容師「終電があるから、それに私遠いところから来ているし」というも形式だ。

僕「世間は3連休だったけど、めっちゃがんばったでしょ!家帰るより、楽しもう、今夜は」

打診が通り、ワインバーへ。カウンターでの和み。
二人の時間になれば、自分は強い。

恋愛遍歴を聞き、ネグ、そして共感トーク、レッテルはり、お酒のペースもいい。
お互いがほろ酔いだ。「もう一軒行こう」とビジホへ誘導。


「絶対嫌です」と言われるも30分だけの時間制限でイン。

エレベーターでキスをし、勝手にいけると思ったのだが、甘かった。

強烈なグダ。

過去にもそういうことがあったし、一度だけの関係があったというのもリサーチ済みだ。

しかしながら「いける」と思った自分が悪い。

彼女はホテルの部屋から出て行ってしまった。

一緒に飲んだお酒と、彼女のシャンプーの香りだけが残った。



落ち込んでいる時間はない。
街へ行こう。


◇◇◇

N通りでまたbeeさんに会った。

beeさんは、サッカーでいうと間違いなく点取り屋だ。
それはTwitterや実際にお会いしただけで伝わってくる。

生粋のストライカーだ。それもゴール前ならどんな体勢からでも正確なシュートを放てるタイプだ。
それにはオフザボールの動き、DFとの駆け引き、正確なトラップが長けている。
瞬時に反応し、ゴールを決める嗅覚を持ったFWだ(と勝手に思った)。

beeさんにコンビしてくれませんか?とお願いすると快く引き受けてくれた。
1人声かけ目で、旅行者2人組と和む。これからクラブに行くという。

「一軒挟んでから、クラブへ行こう」と担当を決め、バーに入る。

横並びの席で1-1に分かれて座る。beeさんを見ていると雰囲気を作り出すのが本当にうまい。

距離の取り方、適度なボディタッチ。
僕の担当の子ともいい具合に和めている。

手をつなぎ4人で在美に入る。

そこから、お酒を飲み一緒に時間を共有する。
いじって、コールドリーディング、彼女の体を引き寄せる。
ロッカーも一緒に共有して入れてある。

「大丈夫、いける」。

EDMと照明がより盛り上がって行く。

そう思うも束の間、友達が猛烈に帰りたいと言うらしい。それも疲れて眠い、という。
その友達と「一緒に帰るね」と言われる。

 

負ける。


それはあってはならない。

そこから彼女に「もっと一緒にいたいこと、せっかくの旅行だからもっと楽しみたいこと」などを伝える。


友達に聞いてくると言われた。

 

微かな期待を持ったが、彼女の顔は会った頃よりもよそよそしい。


相談した結果、帰るという。


これほどまでに見送ることが辛いことはなかった。



◇◇◇
早朝4時。
箱をでた。
もう体力も心も限界になっていたのかもしれない。
ただ気持ちはまだやれる、そう言い聞かす。

僕と同じ時期に九州を遠征しておられるリンクさんという方がいる。
もし会えたら明太子で会おうと約束をしていた。こんな遅い時間にも関わらず、合流してくれた。
スタイルがよくのりもいい。
同じような境遇(同じ時期に九州でストするという)の人だと気持ちもわかり合える。
何よりソロしかいないこのこの時間からだと心強い。

しかし、体がもうだめだ。
最大限に疲れている。「気持ちだ、そう気持ちだ」。言い聞かす。


握手し、歩き始める。

3組くらいか、N通りをぐるぐるまわり話しかけるがグダで放流。
会話はもうほとんど覚えていない。

夜風が冷たくなる。

リンクさんは、いい性格の持ち主だ。
「頑張りましょう!楽しみましょう!」と疲れている自分に言葉をくれる。

(そのときはもういろいろ限界だったら本当にありがたかった)

小さな気遣いもできるし、彼といると安心感がある。
こうやって会えただけでも満足していたかもしれない。



もうそこから覚えていない。

記憶はない。


だけど、きっとやりきったという心地いい感じだけを胸に宿して、泥のようにベットに入っていた。



◇◇◇

 

アラームの音で起きる。
飲んだお酒が抜けきれていない。

それでも微かに見た夢を思い出す。

 


どこか真っ暗の中で、何かを探している僕。
無音で孤独で、かたくて高い壁を登ろうとしている僕。
そこから一筋の光を見た気がする。柔らかくて、僕を優しく包み込んでくれる光だ。



これは夢なのか?

 

 


夢のような時間だったーーー。


今だからはっきり言える。YESと。



ただ夢は始まったばかりだ。

これは、終わりじゃない。
スタートだ。

成し遂げたことより、やり残したことのほうが多い。
だからこそ、始まりなんだ。



「僕の夏休みは、これからなんだ」

 



【結果】

稼働

ストナン:5時間

クラブ:2時間

コンビ:2時間

地蔵トーク:30分

合計:9時間半

費用:9000円(2連れ出し費用7000円、クラブ入場費2000円)

30声かけ 

2連れ出し                                      

0即

2番ゲ

オープン率 約80パーセント


【ナンパノックを終えて】
素直に楽しかったです。
「もっとやっていたい」というのが今の正直な気持ちです。

大変だったことのひとつに
仕事→ブログ執筆→ノック

この三つ巴の戦いがありました。
業務をこなしながら空き時間、トイレにこもってスマホで記事の粗編集をしました。
その後、パソコンで記事の体裁を整えてきました。


最初のうちは、それだけでも必死でした。
睡眠を取らなければ、ノックも仕事もできない。体調を崩す要因にもなる。


だから効率よく仕事をし、その隙間時間で4000字のブログ記事を書きました。

なんというかそこだけは、せめてそこだけは
自分でいうのもあれですが、ほめてあげたいです。

ただ、目標としていた5即には2人足りませんでした。

 

7日間で3即。これが自分の結果です。

 

悔しいですし、振り返るだけでもう一押しいけば...というのが多々ありました。

やはり目標とした結果がでないのは、目標に対してのアプローチが甘かった。
トークはしっかり詰められていたか?ユーモアは?ネグノ準備は?
自分に問うたとき、まだまだでした。


しかしながら、唯一やってよかったことは、

喜怒哀楽の感情をフルにだせたことです。


これを思いっきりだせたのはいつ以来でしょうか?


緊張感と興奮、ノック前の極度の不安...感情を全面に出して、向き合う。

そんな経験ここでしかできなかったです。
メイクドラマでなく、ドキュメンタリーのドラマ、筋書きのないストーリーを自分で描いて行く
そんな夢中になれることが出来ました。



最後に、7日間ナンパノックできたのは、みなさまのおかげです。


当初は、ここにひとりひとり名前を書こうと思いましたが、引用リツイートなど名前が消えてしまっている方も
いてたので、お礼だけしっかり言わせてください。


こんな自分を一瞬でも応援してくださり本当にありがとうございました。
辛いとき、みなさんのいいねやコメントが力になりました。
だからこそ乗り越えることができました。


だからこそ、本当にありがとうございました。



もしどこかで会ったら直接お礼言わせてくださいね?




ソラ